文部科学省は平成17年、18年度に｢魅力ある大学院教育」イニシアティブ、平成19年度からは「大学院教育改革支援プログラム」（以下大学院ＧＰと略す）を公募しました。これは中央教育審議会の答申「新時代の大学院教育」（平成17年９月５日）を受けたもので、これからの大学院は「教育機関としての本質を踏まえ、各大学院の課程の目的を明確化した上で、これに沿って、学位授与へと導く体系的な教育プログラムを編成・実践し、そのプロセスの管理及び透明化を徹底する方向で、大学院教育の実質化（教育の課程の組織的展開の強化）を図ること」との提言にもとづいています。また、平成19年度の「審査結果」によれば、大学院教育改革支援プログラムは、社会の様々な分野で幅広く活躍する高度な人材を育成する大学院博士課程、修士課程を対象として、優れた組織的・体系的な教育取組に対して重点的な支援を行うことにより、大学院教育の実質化を推進するとともに、採択された取組を広く社会に情報提供することで、今後の大学院教育の改善に活用することを目的として開始された事業です。

平成17、18年度と平成19年度以降とは名称が異なりますが一つの事業として集計してみると４年間の応募総数1,234件に対して、採択件数335件であったから採択率は約27％ということになります。ただし平成18年度の採択率は17.2％と低くこれを反映してか本学はこの年の採択件数はゼロでした。本学の採択総件数は12件となり、採択された７研究科は大学院教育改革の取り組みをはからずも公的に宣言したことになりました。

大学院ＧＰ、科学技術振興調整費、特別教育研究経費、各種競争的研究経費等による各種のプログラム遂行に一部の教職員がフル稼働している状態もあり、全学を見渡したバランスのとれた研究教育活動が求められているといえます。その意味でも全学的に俯瞰できるこの種データを絶えず共有できるような工夫が必要と考え提示するものです。