融合領域研究所特別研究員キャリアアップ

皆様に感謝の念

富山大学理学部松本 重貴 准教授

国際高等融合領域研究所 矢野恵美

国際高等融合領域研究所(融合研)の特別研究員となり、辞令を頂いた日を今でも強烈に思い出すことができます。大学執行部の方々の期待の大きさ、そして本機構を必ず成功させるという意気込みに、内心冷や汗を掻きつつも、これから限られた期間でどの様に研究し成果を生み出すかについて必死に頭を巡らせていた記憶が甦ってきます。
 その際に特に強く求められたことは、特別研究員が主体となり融合領域で新分野を開拓し研究することでした。駆け出しの若い研究者が主体となり研究を進めることは、私の出身である素粒子理論の分野では日常的に行われていたため違和感は覚えませんでしたが、融合領域に焦点を絞った研究という点がかなりの圧力となったことを覚えています。
 私の研究テーマは宇宙暗黒物質の正体解明です。この研究自体すでに融合領域研究の側面を持っています。そこでこの側面を強化するために、理論のみならず実験の研究者たちとも積極的に議論をし、共同研究を行おうと考え、頂いた研究費を使い世界中を駆け回りました。あとで調べたところ、研究打ち合わせや会議への出席のため、年に約30回出張していました。その甲斐もあり、多くの共同研究を立ち上げることができ、研究を遂行し、論文の形で成果を上げることが可能となりました。この共同研究は現在でも続いています。
 さらに暗黒物質研究は去年、今年と目まぐるしく進展しており、融合研の特別研究員時代に築いた共同研究をもとに忙しくも幸せな研究生活を送っています。
 思い返しますと、特別研究員時代に圧力に後押しされ、寝食も忘れ研究に没頭したことが、現在の研究の礎を築き、同時に現在の職につけた最大の理由だと思います。そのことを思い出すたびに、特別研究員時代に叱咤激励して頂いた教員や同僚の皆様に感謝の念が堪えません。本当にありがとうございました。

国際高等研究教育機構
国際高等研究教育院第5回研究会開催のお知らせ

大学院教育の現状と高度化への課題

開催日時
平成21年7月29日(水)13時30分~17時
会  場
東北大学学際科学国際高等研究センター 大セミナー室(1F)
挨  拶
井小萩 利明 国際高等研究教育機構長
基調報告
「研究所は大学院教育にいかに関わってきたか」
  • 金属材料研究所の場合 …………… 中嶋 一雄 金属材料研究所長
  • 加齢医学研究所の場合 …………… 福田  寛 加齢医学研究所長
  • 流体科学研究所の場合 …………… 早瀬 敏幸 流体科学研究所長
  • 電気通信研究所の場合 …………… 矢野 雅文 電気通信研究所長
  • 多元物質科学研究所の場合 …………… 齋藤 文良 多元物質科学研究所長
  • 東北アジア研究センターの場合 …………… 佐藤 源之 東北アジア研究センター
討  論
司会・コーディネーター : 井原 聰 国際高等研究教育院長

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