【海外研究集会発表支援プログラム報告】王吟麗さんが TMS 2024 にてポスター発表をしました。

◇発表者◇
 王吟麗
 物質材料・エネルギー領域
 博士研究教育院生3年
 工学研究科 知能デバイス材料学専攻

◇学会名称◇
 The Minerals, Metals & Materials Society 2024 Annual Meeting & Exhibition
◇開催地◇
 オーランド、アメリカ
◇開催期間◇
 2024年3月3日 ~ 2024年3月7日

◇発表題目◇
An analysis of resistance change and mechanism in amorphous Cr2Ge2Te6 thin film under tensile load

◇発表内容◇
ピエゾ抵抗効果は、金属、または半導体材料に機械的な外力を与えた際に、抵抗変化が発生する効果である。ピエゾ抵抗効果により、安定な電気信号を発生できるため、圧力センサとして広く応用されている。本発表は、アモルファス相Cr2Ge2Te6薄膜におけるピエゾ抵抗効果の発見と発現機構の解明を議論した。独自で開発した機械・電気マルチフィジックス評価システムで、アモルファス相Cr2Ge2Te6薄膜のピエゾ抵抗効果を評価したところ、並外れたピエゾ抵抗効果を発見した。その上に、微視的な構造変化と巨視的な変形・破壊に関する二つの面から巨大な抵抗変化のメカニズムを解明した。その結果、アモルファス相Cr2Ge2Te6薄膜に引張力を加えると、面外方向でジグザグ状のき裂が発生することが明らかにした。従って、ひずみの増大に伴い、き裂により分割された薄膜同士の接触面積が小さくなり、抵抗値が高くなることを考えられる。

◇今回の発表によって得られた成果及び問題点◇
ポスター発表を通じ、多くの研究者と対面で議論できる機会があった。本研究は、力学的な変形と破壊を利用し、優れたピエゾ抵抗効果を創出するアイディアがポジティブなフィードバックを得た。
一方で、き裂の不安定性を考慮し、試作したジェスチャーセンサと脈拍センサの耐久性については多くの疑問を受けた。デバイスの耐久性については、サイクル実験と振動実験を通して評価したので、その結果に基づいて回答した。

◇今後の研究目標及び課題◇
機械・電気マルチフィジックス特性は広く工学利用されている。例えば、圧力センサ、発電デバイス、圧電メモリ等。しかし、伝統的電気物性と比べて、機械・電気マルチフィジックス特性の評価が難しいである。特に、機械的な外場を印加したで発生する物理現象の解明が不十分である。私は、今後微視的構造と巨視的変化・破壊に関する物理現象に着目し、その物理現象を解明して、新材料機能を創出する研究を進めていく予定である。