新楯諒さんがThe 41st Symposium on UltraSonic Electronics (USE2020)にてYoung Scientist Award及びBest Paper Awardを受賞しました。

博士研究教育院生の新楯諒さんが、去る11月25日(水)~11月27日(金)に開催されたThe 41st Symposium on UltraSonic Electronics (USE2020)(オンライン開催)においてYoung Scientist AwardおよびBest Paper Awardをダブル受賞しました。
このYoung Scientist Awardは、超音波技術の発展に寄与する優れた研究発表を自らおこない、将来の発展を期待しうる満37歳以下の研究者に対し授与されるものです。
 また,Best Paper Awardは超音波に関する科学と技術の発展に顕著な貢献が期待される研究成果をシンポジウムにおいて発表し、Japanese Journal of Applied PhysicsのRegular PaperあるいはBrief Noteとして論文を公表した研究者個人または研究グループを対象として授与されるものです。
 新楯さんは、国際会議の演題「Visualization of cell structure by optical resolution photoacoustic microscopy with sub-micron lateral resolution」、および国際論文誌Japanese Journal of Applied Physicsのタイトル「Development of optical resolution photoacoustic microscopy with sub-micron lateral resolution for visualization of cells and their structures」において、光音響イメージング技術を応用した細胞可視化レベルの超高分解能な光音響顕微鏡システムを独自開発し、赤血球、メラノーマ細胞を1 µm以下の高解像度で可視化できることを実証しました。本研究により、従来までの生体組織を対象とした光音響イメージングでは行えなかった細胞の機能性評価、および薬剤に対する細胞動態の評価が可能になると期待されます。

 新楯さんは、受賞に関して「歴史のある国際会議で2つの賞を頂き、大変嬉しく思うと同時に、非常に身の引き締まる思いです。本賞に恥じないよう、今後も医用超音波・光音響イメージングの研究に一層邁進していく所存です。」と話しています。

 なお、本受賞は、学際高等研究教育院生として受給した研究費により遂行された「細胞の3Dイメージングを可能にする超高分解能光音響顕微鏡の開発」の研究成果を内包していることを申し添えます。

※光音響イメージング:パルスレーザを照射により生体分子が瞬時的な熱弾性膨張を引き起こすことで生じる超音波(光音響波)を計測する、近年医用応用が注目されているイメージング手法。

論文DOI:https://doi.org/10.35848/1347-4065/ab840e