【海外研究集会発表支援プログラム報告】江村 玲さんがThe 30th AMLaP Conferenceにてポスター発表をしました。
◇発表者◇
江村 玲
人間・社会領域
博士研究教育院生2年
文学研究科 総合人間学専攻
◇学会名称◇
The 30th AMLaP Conference (Architectures and Mechanisms for Language Processing)
◇開催地◇
エジンバラ・スコットランド
◇開催期間◇
2024年9月5日 ~ 2024年9月7日
◇発表題目◇
A Corpus Analysis of Noun Phrases with Processing Difficulty in Japanese Legal Language
◇発表内容◇
本研究は、日本語コーパス(文資料の集合)を用い、法律文とその他の4つのジャンル(書籍・新聞・雑誌・ブログ)における文構造を比較した。その結果、法律文は、他のジャンルに比べて、複雑な文構造は多く、曖昧な文構造は少ないことを発見した。
法律文の文章は読みにくいという印象があると思うが、その読みにくさは、内容の難しさだけではなく、文構造の複雑性に起因するということを示唆した。したがって、心理言語学の知見から文構造を修正したら、難しい文章も読みやすく改善できると期待できる。
◇今回の発表によって得られた成果及び問題点◇
私の研究分野は心理言語学というが、この分野が中心の国際学会はアメリカとヨーロッパで行われる二つの学会があり、この学会は後者の方である。私はアメリカの学会では発表したことがあるが、ヨーロッパの学会に参加したのは初めてだった。アメリカでの学会は英語を対象とした研究が多いが、ヨーロッパでの学会での発表は、多様な言語を対象にしていることがわかった。私は主に日本語を対象とした研究を行っているので、アメリカの学会では肩身の狭い思いをするのだが、今回の学会では、英語以外の言語を研究する勇気をもらえた。
また、本研究は国立情報学研究所の先生との共同研究であり、自然言語処理の技術を用いていた。この技術は、大規模の言語データをある程度自由に分析することを可能にする。自然言語処理の技術の中では初歩的なものであるが、本研究は、技術の応用の幅を広げることができた。
◇今後の研究目標及び課題◇
本研究は簡素な研究であったので、学会発表としてはまとまりがあるが、論文のデータとしては不十分である。これからは、本研究のデータをさらに広げて、論文投稿に繋げていきたい。