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2025年10月08日
/ 最終更新日 : 2025年10月08日
senryaku
及川凱亜さんらの論文が「International Journal of Applied Linguistics」にアクセプトされました
博士研究教育院生の及川凱亜さんの論文が学術誌「International Journal of Applied Linguistics」にアクセプトされました。
以下、論文の概要です。
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【タイトル】
Oikawa, G., Sugawara, M., & Uchihara, T. (accepted for publication). The roles of vocabulary size, word part knowledge, and semantic transparency in vocabulary learning through the word part technique.
【掲載誌】
International Journal of Applied Linguistics. (Advance online publication)
https://10.1111/ijal.70017
【概 要】
本研究は接辞や語根の知識を活用して形態 (form) と意味 (meaning) の結びつきを強化する記憶術の一つである「Word Part Technique (WPT)」を用いたL2語彙学習において学習者と語彙に係る要因が及ぼす影響を検証しました。学習者にかかわる要因としては語彙サイズと接辞の知識、語彙にかかわる要因としては意味の透明性(接辞や語根の意味から単語の意味がどれくらい直接的に導けるか)を対象としました。実験では48名の日本人英語学習者が16語の対象語彙をWPTを用いて学習しました。また、学習中には意味的透明性を5段階のリッカート尺度でレーティングしてもらいました。語彙サイズと接辞の知識はVST-NJ8 (Hamada et al., 2021), Word Part Levels Test (Sasao & Webb, 2919)を使用して学習前に測定しました。対象語彙の学習は意味想起テストと意味認識テストで測定しました。主な結果は、(a)接辞知識が豊富な学習者は意味認識テストにおいて直後・遅延の両方で語の意味を正確に解答した; (b)語彙サイズが大きい学習者は意味想起テストの直後テスト、およびいい認識テストの遅延テストにおいて有意に高い正答率であった; (c)意味的透明性の高い語は意味想起テストの直後テストにおいてより高い正答率につながったことが明らかとなりました。また、語彙サイズと接辞知識の間には有意な交互作用が見られ、語彙サイズが大きい学習者は接辞知識の活用がより効率的に行え、WPTからより大きい学習効果を得られる可能性が示唆されました。
