澤村瞭太さんが「みちのく分析科学シンポジウム2022」にてポスター賞を受賞しました。

 博士研究教育院生の澤村瞭太さん(環境科学研究科)が、去る7月23日(土)に、東北大学青葉山北キャンパスにおいて開催された日本分析化学会東北支部主催のみちのく分析科学シンポジウム2022において、ポスター賞(フロンティア・ラボ賞)を受賞しました。

 このポスター賞は、分析化学関連の研究に携わる研究者同士の交流を目的とした本シンポジウムの学生ポスター発表において、優秀な発表を行った学生に対して授与されるものです。

 澤村さんは、画素毎に分光情報をもった画像が得られる分光イメージングによって、非蛍光性の金属錯体であるジラジカル白金錯体のがん細胞内における近赤外吸収の様子を吸収スペクトルとして可視化しました。また、細胞内小器官を染める蛍光色素の蛍光の分布とジラジカル白金錯体の近赤外吸収の分布を重ね合わせることで、詳細な錯体の細胞内分布を解析することにも成功しました。本成果は、ジラジカル白金錯体のみならず、非蛍光性物質の造影剤としての応用を後押しするものといえます。

 澤村さんは受賞に際して、「自分のこれまでの研究がポスター賞として評価されたことは非常に嬉しく、この受賞を励みに、今後も金属錯体の生体分析への応用に研究者として貢献していきたいと思います。」とコメントしています。

受賞題目:「分光イメージングを用いた近赤外吸収ジラジカル白金錯体の細胞導入の観察」

なお、本受賞は、日本学術振興会より特別研究員奨励費として交付を受けて行った「近赤外吸収錯体を基体としたがんへピンポイントに作用するセラノスティクス試薬の創製」の研究成果を内包していることを申し添えます。