【海外研究集会発表支援プログラム報告】 李忠日さんが AIAA/CEAS Aeroacoustics Conferenceにて口頭発表しました。
◇発表者◇
李忠日
先端基礎科学領域
博士研究教育院生2年
工学研究科 航空宇宙工学専攻
◇学会名称◇
AIAA/CEAS Aeroacoustics Conference
◇開催地◇
イギリス サザンプトン
◇開催期間◇
2022年6月14日~2022年6月17日
◇発表題目◇
Estimation of Time-Resolved Three-Dimensional Velocity Fields of Underexpanded Jets in Flapping Screech Mode
◇発表内容◇
非時間分解粒子画像流速測定法(PIV)と時間分解近距離場音響データから時間分解3次元速度場を推定する方法を提案し、不足膨張ジェットを用いて評価した。低 次元PIVデータとノズル出口に配置された8個の音響データにMulti-time-delay modified linear stochastic estimation(MTD-mLSE)手法を適用した。圧力比2.97は周方向モード1が支配的である。
この周方向モードに連動する3次元時間解像速度場を推定し、フラッピングモードの流体構造を観測した。また、スクリーチ騒音の支配的な音源位置で速度変動が大きいことがわかった。
◇今回の発表によって得られた成果及び問題点◇
超音速ジェット騒音で有名なDr Daniel Edgington-Mitchellから本発表について高評価を受け、「超音速ジェットでは様々なスクリーチ騒音があるので、その現象に開発した技術を適用して調べるとより面白いと思います」とコメントをもらった。
AIAA/CEAS Aeroacoustics conferenceは流体から発生する騒音に関して物理的に議論する発表が多かった。しかし、本発表では物理的な議論は弱く、テクニカルな内容がメインだったため、質問が1個しかなく手法の説明が難しかったかもしれない。次回、この学会に参加する機会があれば、手法の説明は分かりやすく記述し、物理的な議論をメインにするつもりである。
◇今後の研究目標及び課題◇
ジェット騒音に関連する発表はほとんどブロードバンド騒音の低減の内容が多かった。ブロードバンド騒音の発生メカニズムをより物理的に議論するためには、ブロードバンド騒音に関連する流体構造を高時間・空間解像度で推定できる手法が必要だと思った。しかし、申請者が開発した技術ではブロードバンド騒音に関連する流体構造まで推定できない。今後、データ駆動科学アルゴリズムと計測方法を改良し、超音速ジェットの流体構造をよりブロードバンドな領域まで推定できる手法を開発する予定である。