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概要

Co47

学際高等研究教育院/学際科学フロンティア研究所 東北大学クロスオーバー No.4703健康的な生活を送るためにも、適度な食事・運動によって適切な体重を保つことは重要である。しかしながら、特に若い女性の中には、痩せた体型への憧れなどから、適切な体重であるにも関わらず太っていると思い込んでしまうといった「身体像の歪み」を持つものも多い。この身体像の歪みは神経性やせ症などの摂食障害の発症原因の重要な要素だと考えられており、これまでに少なくとも二つの側面が存在している可能性が高いことがわかってきた。一つは「歪みの知覚的側面」と呼ばれ、自分の体の大きさを正しく推定することができていない状態を指す。もう片方は「歪みの認知的側面」と呼ばれ、自分自身の体型への不満足感により、自分の体型を太っていると評価している状態を指す。歪みの知覚的側面は、実際の自分自身の体の大きさと、自分はこのくらいの大きさだろうと推測した体の大きさとの差として数値化され、歪みの認知的側面は、推測した体の大きさと理想の体の大きさとの差として数値化されてきた。しかしながら、これら二つの側面が独立した存在であるのかどうかはわかっていなかった。そこで本研究では、これら二つの側面が異なる精神メカニズムによって生じているという従来の仮説に則り、それぞれの側面に異なる脳部位が関連していることを示すことで、二つの側面が全く異なる機序によって発生する独立した現象であることを示そうとした。この目的のため、若年健常女性を対象に、核磁気共鳴(MRI)装置の中で、自分自身の体の大きさを推定する課題と、理想的な体の大きさを評価する課題をおこない、その際の脳活動を調べた。結果として、二つの側面に関わる脳部位は全く異なり、これら二つの側面が独立であるという仮説を支持した。今後の展開としては、それぞれの側面に特異的に効果のある介入法の開発など、応用面への研究の発展が期待される。「「 太っている」という認識には二つの異なる脳部位が関わる?」濱本 裕美人間・社会領域博士研究教育院生2年医学系研究科医科学専攻【発表のポイント】・ 直径がわずか原子10 個程度(2.3 ナノメートル)の世界最小高性能磁気トンネル接合素子を開発・ 車載応用可能な150℃でも高いデータ保持特性(熱安定性)を維持しながら、DRAM 置き換えに必要となる10ナノ秒での高速低電圧動作を実現・ IoT やAI の高度化を可能とする超大容量・低消費電力・高性能不揮発性メモリの開発を加速【概要】 シリコン半導体デバイスの微細化に伴って増大する消費電力の課題を克服するために、スピントロニクス技術を利用した不揮発性メモリであるスピン移行トルク磁気抵抗メモリ(STT-MRAM)の研究開発が活発に行われています。 博士研究教育院生・五十嵐純太さん(工学研究科電子工学専攻博士課程後期3年、日本学術振興会特別研究員)は、東北大学材料科学高等研究所の陣内佛霖助教、東北大学電気通信研究所の深見俊輔教授、大野英男教授(現総長)らと共に、STT-MRAM の主要構成要素である磁気トンネル接合(MTJ)に新しい構造を採用することで、わずか原子10個程度(2.3ナノメートル)の直径を有する世界最小磁気トンネル接合素子を作製し、車載応用に必要とされる高温でのデータ保持特性を維持しながら、DRAMなどのワーキングメモリの置き換えに必要とされる高速低電圧動作を実証しました。本研究により、超大容量・低消費電力・高性能不揮発性メモリ、およびそれを用いた超高性能低消費電力集積回路の開発が加速することが期待されます。 本研究成果は、2020 年12 月12-18 日(米国時間)にオンラインで開催の、半導体素子に関する世界で最も影響力のある技術会議、「米国電子情報学会(IEEE)主催の国際電子デバイス会議(International Electron Devices Meeting)」で発表されました。世界最小磁気トンネル接合素子の高性能動作を実証~超大容量・低消費電力・高性能不揮発性メモリ開発を加速~図1) (a)従来型形状磁気異方性MTJ素子構造(2018年開発)と、(b) 本研究で提案した、静磁気結合を有する積層構造を用いた形状磁気異方性MTJ素子構造の模式図。新素子構造では、界面磁気異方性を増大することによって、薄い磁性層膜厚でも素子の高性能化を実現できる。2 つの磁性層は、MgO挿入層を介して静磁気結合によって単一の磁性層のように振る舞う。 [1] K. Watanabe et al., NatureCommunications 9, 663 (2018).News 五十嵐純太さんらの論文がプレスリリースされましたデバイス・テクノロジー領域博士研究教育院生3年工学研究科電子工学専攻五十嵐 純太