ブックタイトルクロスオーバーNo.40

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概要

クロスオーバーNo.40

07学際高等研究教育院/学際科学フロンティア研究所 東北大学クロスオーバー No.40融合研究の主なコラボレーション活動平成30年度 全領域合同研究交流会全領域合同研究交流会(以下、交流会)は、学際科学フロンティア研究所教員と学際高等研究教育院の大学院生(以下、研究教育院生)が分野を問わず一堂に会し、研究紹介および議論を通じて異分野交流を行う集まりです。平成26 年度に始まり、昨年度で5年目の開催を終えました。平成29 年度より、研究教育院生の積極的な参加による交流会の活性化を図るため、教員ではなく研究教育院生が主体となった運営体制へと移行しています。以下では、その運営に携わった者として、私見も交えつつ平成30 年度の交流会運営に関してご報告させていただきます。昨年度は、ポスター発表と口頭発表の2 セッションを合わせて約2 時間の形式で開催し、一回あたりポスター発表は10 件程度、口頭発表は1 ? 3 件行われました。発表者は研究教育院生が中心ですが、後期からは学際科学フロンティア研究所の若手研究者にも各回1、2 件のポスター発表を募ることで、研究教育院生が学際的研究の最前線に触れ交流する機会を設けることができました。また、従来からの課題であった参加者数の底上げに関しては、前期(4月?7月)から運営に様々な試行錯誤を行ってきた結果、後期(10 月? 2 月)に開催した全5回の交流会において、各回およそ60 名(うち、研究教育院生が40 名程度)の参加者数を達成することができました。この数字はこれまでと比べて大幅な増加のようです。実際にどういった要素が参加者の増加に効果的だったのかは評価が難しいですが、以下に私たち平成30 年度交流会運営委員の取り組みを紹介することで交流会の今後のさらなる発展につながれば幸いです。まず、交流会に積極的に参加してもらうためにはどうすればよいか。この点について運営委員による議論を重ねました。そして、本来の趣旨である異分野融合や新領域創成といった堅苦しいことはさておき(もちろんそういった場になることを目指していますが...)、聴衆にとっては気軽に異分野の面白い研究の話を聴くことができる場とすること、そして、そうした場を実現するために、発表者にとっては異分野の人にも理解できるようなトコトン分かりやすい発表を追求する場とすることが重要ではないかとの結論に至りました。そこで、その旨を全体への開催通知や発表者に対しての準備依頼において周知するとともに、口頭発表者には事前に準備したプレゼンテーション資料を学際科学フロンティア研究所の教員にチェックしていただきフィードバックを得るという試みを行いました。その結果,以前よりも異分野の人にも理解しやすい表現の発表が増えたように思います。この場を借りて、事前チェックしていただいた先生方に御礼申し上げます。また、ポスター発表においても、参加者の興味をひく発表が一つでも増えるように発表件数を増やしたり、参加者がセッション時間内に満足に発表を聴くことができるように発表時間を15 ? 20 分ごとに区切って効率的に聴衆が発表を見て回れるような工夫を行いました。実際に発表した者として個人的に良かったと思うのは、口頭発表者への聴衆からのフィードバックの仕組みの導入です。発表後に聴衆に自由に意見・感想を紙に書いてもらい、そのまま発表者にフィードバックすることを行いました。思った以上に多くの方(約20 人)からのコメントをもらうことができました。私自身は、誰にでも分かるレベルで発表をしたつもりでしたが、聴く人によってはまだ分かりづらい点もあったことや、異分野の方が感じる私の研究の面白さなどを知ることができ、非常に有意義であったと思います。このような、発表者による分かりやすい発表をしようという努力とその結果に対する聴衆のフィードバックが好循環を生み出し、良い交流会を創りあげていくのではないでしょうか。 最後に、今後の交流会についてですが、発表の質、参加者数などまだまだ改善の余地があると思います。より良い交流会を実現すべく改革を行う積極的な研究教育院生の登場を期待しています。一緒に異分野交流を楽しみましょう!      学際高等研究教育院 博士研究教育院生        全領域合同研究交流会運営委員            生命・環境領域 工学研究科 安井 浩太郎