ブックタイトルクロスオーバーNo.32

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概要

クロスオーバーNo.32

東北大学クロスオーバーApr. 2017No.32Tohoku UniversityDIARE東北大学クロスオーバーCONTENTSNo.32■ 学際高等研究教育院長あいさつ ――――――――■ 第7回 日本学術振興会 育志賞受賞の喜び ―――■ 平成28年度 博士研究教育院生(D3)研究成果発表会 ―――――――――――――――■ 研究教育院生の研究紹介 ―――――――――――p.01p.02p.03p.04-06p.07p.08p.08p.08■ 融合領域のコラボレーション平成28年度全領域合同研究交流会 ――――――――■ 平成28年度 博士研究教育院生(D3)修了生進路 ――■ 学際科学フロンティア研究所 新採用助教紹介 ―――■ Information ――――――――――――――――――東北大学学位プログラム推進機構学際高等研究教育院/学際科学フロンティア研究所Division for InterdisciplinaryAdvanced Research and Education/Frontier Research Institute forInterdisciplinary Sciences01新学期を迎え、本教育院生の皆さまも、教育院生に新規応募された大学院生の皆さまも、張り切っていることと思います。ご承知のように、本教育院では、融合領域研究を推進し、次代のアカデミアを担う人財の育成を目標に掲げています。修了生の半分以上の方々はアカデミアに進まれており、またこれまでに教育院の先輩3 名が日本学術振興会育志賞(学術研究の発展に寄与することが期待される優秀な博士課程学生を顕彰、平成22 年度創設)を受賞されています。すばらしいですね。さて、唐突に「不易流行」という言葉をタイトルに持ってきました。皆さま、知っていましたか?これは、松尾芭蕉が蕉風俳諧の本質をとらえるための理念を提起したものと言われており、「不易」は時代を超越して不変なるもの、「流行」は時々に応じて変化するものを意味すると辞書にはあります。俳諧の特質は新しみにあり、「流行」性こそ「不易」の本質であるという解釈もされています。難しい言葉ですね。昨年、ノーベル生理学・医学賞を受賞された大隅良典先生は、「はやりの研究ではなく、誰もやっていないことを見つけることが楽しい」と言われ、「不易」であるオートファジーを酵母で発見されました。最近では、医学や植物科学等でもこの重要性が認識され、一段高い「不易」になりそうです。最近の外部資金は、3 ~5 年の短期間で、役立つ研究を対象にすることが多くなっています。一方で、「流行」だけを追求する科学は衰退すると、私は思っています。とは言え、独立すれば研究費は不可欠ですし、はやりの課題は採択されやすいのも事実です。「流行」を「不易」へ高める努力が、これから重要なのかもしれません。研究の専門性の深化に伴って、居心地の良い蛸壺から抜け出す努力が必要と言われ始めました。科研費の審査も、本年度から広い領域をカバーする体制に変わります。今こそ、融合領域研究の出番です。融合領域研究を「不易」にしましょう。『不易流行 (ふえきりゅうこう)』学際高等研究教育院長あいさつ学際高等研究教育院長 山谷 知行