【海外研究集会発表支援プログラム報告】江村 玲さんがICON 2025にてポスター発表をしました

◇発表者◇
   江村 玲
  人間・社会領域
  博士研究教育院生3年
  文学研究科 総合人間学専攻 

◇学会名称◇
International Conference on Cognitive Neuroscience 2025 (ICON 2025)
開催地◇
 ポルト・ポルトガル
◇開催期間◇
 2025年 9月15日 ~ 9月20日

 

                                                                                 ──── 発 表 題 目 ────

Interpreting Sentences While Whispering ‘da ba ga da’: An fMRI Study of Plausibility-Based Processing under Phonological Loop Load


                                                ──── 発 表 内 容 ────

本研究は、文を理解するときにワーキングメモリ(一時的な記憶)をどのように使うのかを解明しました。とくに、世界常識に依拠した文理解は、他の課題に取り組みながら文を理解する場合、つまりワーキングメモリの機能が制限されている場合、どのように神経基盤が変化するのかをfMRIを用いて調べました。
本研究は、今まで行動を証拠として確認されてきた事象を、fMRIを用いて検証したという点に新規性があります。また、文を集中して理解するときの文理解については多く研究されてきましたが、ある機能が制限された条件での文理解についてはほとんど研究が進んでいません。この点で、認知神経科学として本研究は意義のあるものだと考えます。

                                                  ──── 今回の発表によって得られた成果及び問題点  ────

私は普段は言語に関わる学会に参加してきましたが、今回は初めて認知神経科学分野の学会で発表しました。そのおかげで、現在の認知神経科学分野の中でどのように自分の研究を位置付けるのかを確認できました。
一方で、言語学の学会とは違って、今回の学会の聴衆者は言語について強い関心を示しているわけではありせんし、背景知識を持っているわけではありません。彼らに自分の研究の興味深い点を共有する難しさを体感しました。様々な専門分野や興味に対応した発表を準備しておくべきだとわかりました。


                    ──── 今後の研究目標及び課題 ────

次の目標は、今回の発表をまとめて論文化することです。幅広い分野の読者を想定するジャーナルに投稿したいと思っているので、この学会で様々な分野の研究者に発表した経験はとても役に立つと思います。